詞花和歌集

1字決まり

せをはやみいわにせかるるたきかはの / 崇徳院

瀬をはやみ岩にせかるる滝川の(せをはやみいわにせかるるたきかはの) われても末に逢はむとぞ思ふ(われてもすゑにあはむとそおもふ) 崇徳院(すとくいん)
6字決まり

わたのはらこきいててみれはひさかたの / 法性寺入道前関白太政大臣

わたの原漕ぎ出でて見ればひさかたの(わたのはらこきいててみれはひさかたの) 雲居にまがふ沖つ白波(くもゐにまかふおきつしらなみ) 法性寺入道前関白太政大臣(ほっしょうじにゅうどうさきのかんぱくだいじょうだいじん)
2字決まり

いにしへのならのみやこのやへさくら / 伊勢大輔

いにしへの奈良の都の八重桜(いにしへのならのみやこのやへさくら) けふ九重に匂ひぬるかな(けふここのへににほひぬるかな) 伊勢大輔(いせのたいふ)
3字決まり

みかきもりゑしのたくひのよるはもえ / 大中臣能宣朝臣

御垣守衛士のたく火の夜は燃え(みかきもりゑしのたくひのよるはもえ) 昼は消えつつものをこそ思へ(ひるはきえつつものをこそおもへ) 大中臣能宣朝臣(おおなかとみのよしのぶ)
3字決まり

かせをいたみいはうつなみのおのれのみ / 源重之

風をいたみ岩打つ波のおのれのみ(かせをいたみいはうつなみのおのれのみ) くだけてものを思ふころかな(くたけてものをおもふころかな) 源重之(みなもとのしげゆき)