旅の歌

5字決まり

よのなかはつねにもかもななきさこく / 鎌倉右大臣

世の中は常にもがもな渚漕ぐ(よのなかはつねにもかもななきさこく) 海人の小舟の綱手かなしも(あまのおふねのつなてかなしも) 鎌倉右大臣(かまくらのうだいじん)
2字決まり

このたひはぬさもとりあへすたむけやま / 菅家

このたびは幣も取りあへず手向山(このたひはぬさもとりあへすたむけやま) 紅葉の錦神のまにまに(もみちのにしきかみのまにまに) 菅家(かんけ)
6字決まり

わたのはらやそしまかけてこきいてぬと / 参議篁

わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと(わたのはらやそしまかけてこきいてぬと) 人には告げよ海人の釣船(ひとにはつけよあまのつりふね) 参議篁(さんぎたかむら)
3字決まり

あまのはらふりさけみれはかすかなる / 安倍仲麿

天の原ふりさけ見れば春日なる(あまのはらふりさけみれはかすかなる) 三笠の山に出でし月かも(みかさのやまにいてしつきかも) 安倍仲麿(あべのなかまろ)