夏の歌

3字決まり

かせそよくならのをかはのゆふくれは / 従二位家隆

風そよぐ楢の小川の夕暮は(かせそよくならのをかはのゆふくれは) 御禊ぞ夏のしるしなりける(みそきそなつのしるしなりける) 従二位家隆(じゅにいいえたか)
1字決まり

ほとときすなきつるかたをなかむれは / 後徳大寺左大臣

ほととぎす鳴きつる方をながむれば(ほとときすなきつるかたをなかむれは) ただ有明の月ぞ残れる(たたありあけのつきそのこれる) 後徳大寺左大臣(ごとくだいじのさだいじん)
2字決まり

なつのよはまたよひなからあけぬるを / 清原深養父

夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを(なつのよはまたよひなからあけぬるを) 雲のいずこに月宿るらむ(くものいつこにつきやとるらむ) 清原深養父(きよはらのふかやぶ)
3字決まり

はるすきてなつきにけらししろたへの / 持統天皇

春過ぎて夏来にけらし白妙の(はるすきてなつきにけらししろたへの) 衣干すてふ天の香具山(ころもほすてふあまのかくやま) 持統天皇(じとうてんのう)