きみかためはるののにいててわかなつむ / 光孝天皇

6字決まり

百人一首

【原 文】君がため春の野に出でて若菜摘むきみかためはるののにいててわかなつむ  わが衣手に雪は降りつつわかころもてにゆきはふりつつ

【上の句】君がため春の野に出でて若菜摘む(きみかためはるののにいててわかなつむ)

【下の句】わが衣手に雪は降りつつ(わかころもてにゆきはふりつつ)

【決まり字】6字決まり「きみかためは」

超現代語訳

寒いけど、プレゼントの若菜取ってきたよ!食べて!
雪が降ってたからさー、洋服濡れちゃった。

歌のポイント

  • 「君がため」「わが衣手に」で、混乱しやすい歌
  • お正月の七草がゆのイベントで1年の健康を願ったエレガントな歌
  • 皇室のイベントを大事にしていた天皇が詠んだ歌

歌の情景

この歌は、年明けの7日に春の七草を食べて1年の健康を願う皇室のイベントの際に詠まれた歌です。邪気を払う若菜をプレゼントして、相手の健康を願い歌も一緒に贈られました。

語意

【君がため】あなたのために
【わか菜】代表的な「春の七草」のセリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ
【わが衣手】自分の洋服の袖
【雪は降りつつ】雪が降っている 「つつ」は反復と継続を表す助詞

歌の分類

【歌集】古今和歌集
【歌仙】-
【テーマ】春の歌
【50音】き音

歌を詠んだ人物

【作者】光孝天皇(こうこうてんのう)
【性別】男性歌人
【職業】天皇(現代職業:天皇)
【生年】830年(天長7年)
【享年】887年9月17日(仁和3年8月26日)

光孝天皇は、第58代天皇で第54代・仁明(にんみょう)天皇と第三皇子として生まれました。母親は、藤原沢子(ふじわらのたくし)で、兄弟に、第55代文徳(もんとく)天皇がいます。幼い頃から穏やかで聡明、そして謙虚な人柄で天皇の子どもでありながら、質素な暮らしを好んでいました。

政治や権力にはまったく興味がなく、皇室の雅な文化を大切に守り、また数多くのイベントが大好きな人物でした。この歌「君がため~」も、お正月に開催される宮中のイベントで詠んだ歌とされています。884年(元慶8年)、当時は幼い親王が天皇に即位するのが多かった時代に、異例の55歳で天皇として即位します。

という言うのも、天皇の外戚である藤原基経(ふじわらのもとつね)にゴリ押しされたからです。プライベートでは、29人の子どもが居るビックダディで、また天皇になってからも自分で料理をしたりと謙虚な性格は変わらなかったようです。