しらつゆにかせのふきしくあきののは / 文屋朝康

2字決まり
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百人一首

【原 文】白露に風の吹きしく秋の野はしらつゆにかせのふきしくあきののは  つらぬきとめぬ玉ぞ散りけるつらぬきとめぬたまそちりける

【上の句】白露に風の吹きしく秋の野は(しらつゆにかせのふきしくあきののは)

【下の句】つらぬきとめぬ玉ぞ散りける(つらぬきとめぬたまそちりける)

【決まり字】2字決まり「しら」

超現代語訳

草木の上で白く光輝く露に、秋の風が吹くと、ネックレスが切れてパールが弾け飛ぶように美しい光景がひろがるよ

歌のポイント

  • 自然が作り出す美しい光景を詠んだピュアな歌
  • 「しら つ」で覚える

歌の情景

この歌は、秋の季節に草木にたくさんある露が風に吹かれてパラパラとこぼれ落ちる美しい光景を詠んだファンタジックな歌です。
露をパールに見立てている所も、その光景の美しさをさらに広げています。

語意

【白露】白く光っている露
【風の吹きしく】風がしきりにふいて
【つらぬきとめぬ玉】ひもを通していない玉(パール)
【ちりける】「ける」は詠嘆の助動詞「けり」の連体形 「ぞ」と係り結び

歌の分類

【歌集】後撰和歌集
【歌仙】-
【テーマ】秋の歌
【50音】し音

歌を詠んだ人物

【作者】文屋朝康(ふんやのあさやす)
【性別】男性歌人
【職業】官人(現代職業:官僚)
【生年】不明
【享年】不明

文屋康秀(ぶんやのやすひで)は、平安時代前期の官僚です。それほど偉くありませんでしたが、皇室でおもてなし料理を取り仕切る仕事をしていました。

父は、22番の歌人・文屋康秀(ぶんやのやすひで)です。「寛平御時后宮歌合」・「是貞親王家歌合」などに参加しており、歌人としての腕前は高かったようですが、勅撰集にはわずか3首だけ選ばれています。