百人一首
【原 文】由良の門を渡る舟人かぢを絶え ゆくへも知らぬ恋のみちかな
【上の句】由良の門を渡る舟人かぢを絶え(ゆらのとをわたるふなひとかちをたえ)
【下の句】ゆくへも知らぬ恋のみちかな(ゆくへもしらぬこひのみちかな)
【決まり字】2字決まり「ゆら」
超現代語訳
ボクの恋はこの先、どーなっちゃうんだ?
まるで、由良の船人が舵をなくしちゃったみたいだ!
歌のポイント
- 「ゆら ゆく」で覚える
- イジられキャラの男が詠んだ歌
- どうしたら良いのかわからない恋を素直に詠んだ歌
歌の情景
この歌は、恋をしちゃったけど、これから先どうしたら恋人になれるのか?と途方に暮れている気持ちをポップに詠んだ歌です。どうしようもなくため息だけが聞こえて来そうなリアル感が見事に表現されています。
語意
【由良の門】丹後(現在の京都府)の国にある由良川の河口で、潮の流れが激しい場所
【わたる舟人】船頭
【かぢを絶え】水を漕ぐ道具を失くしてしまって
【ゆくへも知らぬ】行く先もわからない
歌の分類
【歌集】新古今和歌集
【歌仙】-
【テーマ】恋の歌
【50音】ゆ音
歌を詠んだ人物
【作者】曾禰好忠(そねのよしただ)
【性別】男性歌人
【職業】官人(現代職業:官僚)
【生年】不明
【享年】不明
曾禰好忠(そねのよしただ)は、詳しいプロフィールはわかっていませんが平安時代中期の役人です。長期間、丹後(現在の京都府)の国の役人として活躍していたことから曾丹後(そたんご)とや曾丹(そたん)というニックネームで呼ばれています。
歌に対しての新しいアイデアを持っていて、歌を百首ずつまとめあげた「百首歌」や1年を360首に歌いあげた「毎月集」を作りました。またせっかく歌会に出席したのに、なんと追い出されてしまったというイジられキャラのエピソードが残っています。