百人一首
【原 文】かくとだにえやは伊吹のさしも草 さしも知らじな燃ゆる思ひを
【上の句】かくとだにえやは伊吹のさしも草(かくとたにえやはいふきのさしもくさ)
【下の句】さしも知らじな燃ゆる思ひを(さしもしらしなもゆるおもひを)
【決まり字】2字決まり「かく」
超現代語訳
わかんないよね、ぼくの気持ちなんて。だって、言えてないもんね。
君に、こんなにも恋焦がれて、燃えるような思いをしているなんて。
歌のポイント
- 初めてのラブレター
- 清少納言に恋した男の歌
- 「さしも さしも」のリズムで覚える
歌の情景
この歌は、想いを寄せる女性に初めて自分の気持ちを打ち明けたラブレターです。
こんなにも大好きで燃えるような想いを抱いているという事を知ってもらうために詠んだ歌です。
語意
【かくとだに】「かく」はこんなふうに 「だに」思っているとさえ。で、こんな風に恋してるということさえも
【えやはいぶき】「えや」は言う、いや言えないと「伊吹(さしも草の産地・栃木県)」の掛詞
【さしも草】よもぎのことで、お灸に使われる
【さしも知らじな】そんなふうだと知らない
【燃ゆる思ひを】燃えるようなこの思いを
歌の分類
【歌集】後拾遺和歌集
【歌仙】-
【テーマ】恋の歌
【50音】か音
歌を詠んだ人物
【作者】藤原実方朝臣(ふじわらのさねかたあそん)
【性別】男性歌人
【職業】官人(現代職業:官僚)
【生年】不明
【享年】999年1月3日(長徳4年12月13日)
藤原実方朝臣(ふじわらのさねかたあそん)は、藤原実方のことです。父は藤原定時(ふじわらのさだとき)で、ひーおじいちゃんは26番の歌人・貞信公(ていしんこう)こと藤原忠平です。第65代・花山(かざん)天皇、そして第66代一条(いちじょう)天皇に仕えたイケメンで、モテモテだったことから「源氏物語」のモデルとも言われ「枕草子」や「栄華物語」にも登場します。
しかし、歌会で50番の歌人・藤原義孝の子・藤原行成(ふじわらのゆきなり)とトラブルを起こし、怒り狂ったことから、リストラされ陸奥(むつ・現在の東北地方)の国の役人となりました。
その後、40歳の若さでこの世を去りました。