六歌仙

1字決まり

ふくからにあきのくさきのしをるれは / 文屋康秀

吹くからに秋の草木のしをるれば(ふくからにあきのくさきのしをるれは)むべ山風をあらしといふらむ(むへやまかせをあらしといふらむ)文屋康秀(ふんやのやすひで)
2字決まり

ちはやふるかみよもきかすたつたかは / 在原業平朝臣

ちはやぶる神代も聞かず竜田川(ちはやふるかみよもきかすたつたかは)からくれなゐに水くくるとは(からくれなゐにみつくくるとは)在原業平朝臣(ありわらのなりひらあそん)
3字決まり

あまつかせくものかよひちふきとちよ / 僧正遍昭

天つ風雲の通ひ路吹きとぢよ(あまつかせくものかよひちふきとちよ)乙女の姿しばしとどめむ(をとめのすかたしはしととめむ)僧正遍昭(そうじょうへんじょう)
3字決まり

はなのいろはうつりにけりないたつらに / 小野小町

花の色は移りにけりないたづらに(はなのいろはうつりにけりないたつらに)わが身世にふるながめせしまに(わかみよにふるなかめせしまに)小野小町(おののこまち)
3字決まり

わかいほはみやこのたつみしかそすむ / 喜撰法師

わが庵は都の辰巳しかぞ住む(わかいほはみやこのたつみしかそすむ)世をうぢ山と人はいふなり(よをうちやまとひとはいふなり)喜撰法師(きせんほうし)