新勅撰和歌集

3字決まり

かせそよくならのをかはのゆふくれは / 従二位家隆

風そよぐ楢の小川の夕暮は(かせそよくならのをかはのゆふくれは) 御禊ぞ夏のしるしなりける(みそきそなつのしるしなりける) 従二位家隆(じゅにいいえたか)
2字決まり

こぬひとをまつほのうらのゆふなきに / 権中納言定家

来ぬ人を松帆の浦の夕なぎに(こぬひとをまつほのうらのゆふなきに) 焼くや藻塩の身もこがれつつ(やくやもしほのみもこかれつつ) 権中納言定家(ごんちゅなごんさだいえ)
3字決まり

はなさそふあらしのにはのゆきならて / 入道前太政大臣

花さそふ嵐の庭の雪ならで(はなさそふあらしのにはのゆきならて) ふりゆくものはわが身なりけり(ふりゆくものはわかみなりけり) 入道前太政大臣(にゅうどうさきのだいじょうだいじん)
5字決まり

よのなかはつねにもかもななきさこく / 鎌倉右大臣

世の中は常にもがもな渚漕ぐ(よのなかはつねにもかもななきさこく) 海人の小舟の綱手かなしも(あまのおふねのつなてかなしも) 鎌倉右大臣(かまくらのうだいじん)