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6字決まり

きみかためおしからさりしいのちさへ / 藤原義孝

君がため惜しからざりし命さへ(きみかためおしからさりしいのちさへ) 長くもがなと思ひけるかな(なかくもかなとおもひけるかな) 藤原義孝(ふじわらのよしたか)
3字決まり

みかきもりゑしのたくひのよるはもえ / 大中臣能宣朝臣

御垣守衛士のたく火の夜は燃え(みかきもりゑしのたくひのよるはもえ) 昼は消えつつものをこそ思へ(ひるはきえつつものをこそおもへ) 大中臣能宣朝臣(おおなかとみのよしのぶ)
3字決まり

かせをいたみいはうつなみのおのれのみ / 源重之

風をいたみ岩打つ波のおのれのみ(かせをいたみいはうつなみのおのれのみ) くだけてものを思ふころかな(くたけてものをおもふころかな) 源重之(みなもとのしげゆき)
2字決まり

やへむくらしけれるやとのさひしきに / 恵慶法師

八重むぐら茂れる宿の寂しきに(やへむくらしけれるやとのさひしきに) 人こそ見えね秋は来にけり(ひとこそみえねあきはきにけり) 恵慶法師(えぎょうほうし)
2字決まり

ゆらのとをわたるふなひとかちをたえ / 曾禰好忠

由良の門を渡る舟人かぢを絶え(ゆらのとをわたるふなひとかちをたえ) ゆくへも知らぬ恋のみちかな(ゆくへもしらぬこひのみちかな) 曾禰好忠(そねのよしただ)
3字決まり

あはれともいふへきひとはおもほえて / 謙徳公

あはれともいふべき人は思ほえで(あはれともいふへきひとはおもほえて) 身のいたずらになりぬべきかな(みのいたつらになりぬへきかな) 謙徳公(けんとくこう)
3字決まり

あふことのたえてしなくはなかなかに / 中納言朝忠

逢ふことの絶えてしなくはなかなかに(あふことのたえてしなくはなかなかに) 人をも身をも恨みざらまし(ひとをもみをもうらみさらまし) 中納言朝忠(ちゅうなごんあさただ)
2字決まり

あひみてののちのこころにくらふれは / 権中納言敦忠

逢ひ見てののちの心にくらぶれば(あひみてののちのこころにくらふれは) 昔はものを思はざりけり(むかしはものをおもはさりけり) 権中納言敦忠(ごんちゅうなごんあつただ)
4字決まり

ちきりきなかたみにそてをしほりつつ / 清原元輔

契りきなかたみに袖をしぼりつつ(ちきりきなかたみにそてをしほりつつ) 末の松山波越さじとは(すゑのまつやまなみこさしとは) 清原元輔(きよはらのもとすけ)
2字決まり

こひすてふわかなはまたきたちにけり / 壬生忠見

恋すてふわが名はまだき立ちにけり(こひすてふわかなはまたきたちにけり) 人知れずこそ思ひそめしか(ひとしれすこそおもひそめしか) 壬生忠見(みぶのただみ)