あらしふくみむろのやまのもみちはは / 能因法師

3字決まり

百人一首

【原 文】嵐吹く三室の山のもみぢ葉はあらしふくみむろのやまのもみちはは  竜田の川の錦なりけりたつたのかはのにしきなりけり

【上の句】嵐吹く三室の山のもみぢ葉は(あらしふくみむろのやまのもみちはは)

【下の句】竜田の川の錦なりけり(たつたのかはのにしきなりけり)

【決まり字】3字決まり「あらし」

超現代語訳

みてごらん!ペルシャ絨毯みたいな竜田川を

歌のポイント

  • 「あらし たつ」で覚える
  • あらしが吹いているから激しそうだけど、美しい光景をイメージした歌
  • 紅葉をテーマに詠んだ歌

歌の情景

この歌は、歌会で紅葉をテーマに詠み人知らずの「竜田川 もみぢ葉流る 神なびの 三室の山に 時雨ふるらし」をもとにして詠まれた歌です。
「山」と「川」、そして「もみぢ」と「錦」を対照させている所がポイントです。

語意

【あらし】山から吹いてくる激しい風
【三室の山】奈良県高市郡明日香村の山または、奈良県生駒郡斑鳩町の山。
【たつた川】竜田川。上流は生駒川、下流は竜田川と呼ばれ、大和川にそそぐ川。
【錦なりけり】錦であることだ。「錦」は美しい絹織物。

歌の分類

【歌集】後拾遺和歌集
【歌仙】-
【テーマ】秋の歌
【50音】あ音

歌を詠んだ人物

【作者】能因法師(のういんほうし)
【性別】男性歌人
【職業】僧侶(現代職業:お坊さん)
【生年】988年(永延2年)
【享年】1050年(永承5年)または(1058年(康平元年)

能因法師(のういんほうし)は、平安時代中期のお坊さんです。出家前の名前は橘永愷(たちばなのながやす)で、父は肥後国(ひごのくに・現在の熊本県)の役人・橘元愷(たちばなのもとやす)の息子です。

政府のエリート官僚育成機関である文章生(もんじょうしょう)として、勉学に励んていましたが、父の死によって自由気ままに歌を歌い人生を凄そうと出家をしました。最初は融因(ゆういん)と名乗りましたが、あとから能因と名前を改めました。

陸奥国(むつのくに・現在の東北地方)や甲斐国(かいのくに・現在の山梨県)へ旅に出掛け、あちこちでたくさんの歌を詠みました。ある時、「都をば 霞とともに 立ちしかど 秋風ぞ吹く 白河の関」と納得のいく超自慢の一首が出来上がりました。しかし、この歌を詠んだ時はまだ白河(現在の福島県)へ行ったことがなかったので、自宅にひきこもり日焼けし旅帰りを装ってこの歌を披露したという可愛らしいエピソードが残っています。

勅撰集に67首収められています。