よもすからものおもふころはあけやらぬ / 俊恵法師

2字決まり
スポンサーリンク

百人一首

【原 文】夜もすがらもの思ふころは明けやらぬよもすからものおもふころはあけやらぬ  ねやのひまさへつれなかりけりねやのひまさへつれなかりけり

【上の句】夜もすがらもの思ふころは明けやらぬ(よもすからものおもふころはあけやらぬ)

【下の句】ねやのひまさへつれなかりけり(ねやのひまさへつれなかりけり)

【決まり字】2字決まり「よも」

超現代語訳

あの人、来てくれない。今夜も一晩中思い悩むのかしら?夜もなかなか明けないし、みんな私に冷たいわ。

歌のポイント

  • なんだかとっても被害妄想たっぷりな歌
  • 「よも ね」で覚える
  • お坊さんが恋する女性の気持ちを歌った歌

歌の情景

この歌は、「恋の歌」をテーマに夜寝ないで恋人を待つ女性の恋心を詠みあげた歌です。恋というものは、いつの時代も思い悩むものということを教えてくれているような気がします。
恋が上手く行かないと全てが不透明に見えてきて、世の中のあらゆるものが自分に冷たくなると詠みあげています。

語意

【夜もすがら】一晩中。
【物思ふころ】恋に悩んでいるころ。
【明けやらで】明けきらないで。
【閨のひまさへ】寝室の戸の隙間でも。
【つれなかりけり】そっけない。冷たい。

歌の分類

【歌集】千載和歌集
【歌仙】-
【テーマ】恋の歌
【50音】よ音

歌を詠んだ人物

【作者】俊恵法師(しゅんえほうし)
【性別】男性歌人
【職業】僧侶(現代職業:お坊さん)
【生年】1113年(永久元年)
【享年】1191年(建久2年)頃?

俊恵法師(しゅんえほうし)は、平安時代末期のお坊さんです。父は、74番の歌人・源俊頼(みなもとのとしより)、祖父は、71番の歌人・源経信(みなもとのつねのぶ)で3代にわたり百人一首に収められています。

奈良の東大寺のお坊さんとして活躍し、随筆集「方丈記」を書いた鴨長明(かものちょうめい)に大きな影響を与えました。50歳を過ぎたころから歌人としても大活躍し、毎月大勢の歌人を招いて歌会を開催したとされ、勅撰集に84首収められています。