千載和歌集

4字決まり

ちきりおきしさせもかつゆをいのちにて / 藤原基俊

契りおきしさせもが露を命にて(ちきりおきしさせもかつゆをいのちにて)あはれ今年の秋もいぬめり(あはれことしのあきもいぬめり)藤原基俊(ふじわらのもととし)
2字決まり

うかりけるひとをはつせのやまおろしよ / 源俊頼朝臣

憂かりける人を初瀬の山おろしよ(うかりけるひとをはつせのやまおろしよ)激しかれとは祈らぬものを(はけしかれとはいのらぬものを)源俊頼朝臣(みなもとのとしよりあそん)
3字決まり

はるのよのゆめはかりなるたまくらに / 周防内侍

春の夜の夢ばかりなる手枕に(はるのよのゆめはかりなるたまくらに)かひなく立たむ名こそをしけれ(かひなくたたむなこそをしけれ)周防内侍(すおうのないし)
6字決まり

あさほらけうちのかはきりたえたえに / 権中納言定頼

朝ぼらけ宇治の川霧たえだえに(あさほらけうちのかはきりたえたえに)あらはれわたる瀬々の網代木(あらはれわたるせせのあしろき)権中納言定頼(ごんちゅうなごんさだより)
2字決まり

たきのおとはたえてひさしくなりぬれと / 大納言公任

滝の音は絶えて久しくなりぬれど(たきのおとはたえてひさしくなりぬれと)名こそ流れてなほ聞こえけれ(なこそなかれてなほきこえけれ)大納言公任(だいなごんきんとう)