3字決まり

3字決まり

いまこむといひしはかりになかつきの / 素性法師

今来むといひしばかりに長月の(いまこむといひしはかりになかつきの)有明の月を待ち出でつるかな(ありあけのつきをまちいてつるかな)素性法師(そせいほうし)
3字決まり

あまつかせくものかよひちふきとちよ / 僧正遍昭

天つ風雲の通ひ路吹きとぢよ(あまつかせくものかよひちふきとちよ)乙女の姿しばしとどめむ(をとめのすかたしはしととめむ)僧正遍昭(そうじょうへんじょう)
3字決まり

はなのいろはうつりにけりないたつらに / 小野小町

花の色は移りにけりないたづらに(はなのいろはうつりにけりないたつらに)わが身世にふるながめせしまに(わかみよにふるなかめせしまに)小野小町(おののこまち)
3字決まり

わかいほはみやこのたつみしかそすむ / 喜撰法師

わが庵は都の辰巳しかぞ住む(わかいほはみやこのたつみしかそすむ)世をうぢ山と人はいふなり(よをうちやまとひとはいふなり)喜撰法師(きせんほうし)
3字決まり

あまのはらふりさけみれはかすかなる / 安倍仲麿

天の原ふりさけ見れば春日なる(あまのはらふりさけみれはかすかなる)三笠の山に出でし月かも(みかさのやまにいてしつきかも)安倍仲麿(あべのなかまろ)
3字決まり

はるすきてなつきにけらししろたへの / 持統天皇

春過ぎて夏来にけらし白妙の(はるすきてなつきにけらししろたへの)衣干すてふ天の香具山(ころもほすてふあまのかくやま)持統天皇(じとうてんのう)
3字決まり

あきのたのかりほのいほのとまをあらみ / 天智天皇

秋の田のかりほの庵の苫をあらみ(あきのたのかりほのいほのとまをあらみ)わが衣手は露にぬれつつ(わかころもてはつゆにぬれつつ)天智天皇(てんちてんのう)