上級官人

3字決まり

あふことのたえてしなくはなかなかに / 中納言朝忠

逢ふことの絶えてしなくはなかなかに(あふことのたえてしなくはなかなかに) 人をも身をも恨みざらまし(ひとをもみをもうらみさらまし) 中納言朝忠(ちゅうなごんあさただ)
2字決まり

あひみてののちのこころにくらふれは / 権中納言敦忠

逢ひ見てののちの心にくらぶれば(あひみてののちのこころにくらふれは) 昔はものを思はざりけり(むかしはものをおもはさりけり) 権中納言敦忠(ごんちゅうなごんあつただ)
3字決まり

あさちふのをののしのはらしのふれと / 参議等

浅茅生の小野の篠原忍ぶれど(あさちふのをののしのはらしのふれと) あまりてなどか人の恋しき(あまりてなとかひとのこひしき) 参議等(さんぎひとし)
3字決まり

みかのはらわきてなかるるいつみかは / 中納言兼輔

みかの原わきて流るるいづみ川(みかのはらわきてなかるるいつみかは) いつ見きとてか恋しかるらむ(いつみきとてかこひしかるらむ) 中納言兼輔(ちゅうなごんかねすけ)
2字決まり

たちわかれいなはのやまのみねにおふる / 中納言行平

立ち別れいなばの山の峰に生ふる(たちわかれいなはのやまのみねにおふる) まつとし聞かば今帰り来む(まつとしきかはいまかへりこむ) 中納言行平(ちゅうなごんゆきひら)
6字決まり

わたのはらやそしまかけてこきいてぬと / 参議篁

わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと(わたのはらやそしまかけてこきいてぬと) 人には告げよ海人の釣船(ひとにはつけよあまのつりふね) 参議篁(さんぎたかむら)
2字決まり

かささきのわたせるはしにおくしもの / 中納言家持

鵲の渡せる橋に置く霜の(かささきのわたせるはしにおくしもの) 白きを見れば夜ぞ更けにける(しろきをみれはよそふけにける) 中納言家持(ちゅうなごんやかもち)