冬の歌

3字決まり

あはちしまかよふちとりのなくこゑに / 源兼昌

淡路島通ふ千鳥の鳴く声に(あはちしまかよふちとりのなくこゑに)いく夜寝覚めぬ須磨の関守(いくよねさめぬすまのせきもり)源兼昌(みなもとのかねまさ)
6字決まり

あさほらけうちのかはきりたえたえに / 権中納言定頼

朝ぼらけ宇治の川霧たえだえに(あさほらけうちのかはきりたえたえに)あらはれわたる瀬々の網代木(あらはれわたるせせのあしろき)権中納言定頼(ごんちゅうなごんさだより)
6字決まり

あさほらけありあけのつきとみるまてに / 坂上是則

朝ぼらけ有明の月と見るまでに(あさほらけありあけのつきとみるまてに)吉野の里に降れる白雪(よしののさとにふれるしらゆき)坂上是則(さかのうえのこれのり)
3字決まり

やまさとはふゆそさびしさまさりける / 源宗于朝臣

山里は冬ぞ寂しさまさりける(やまさとはふゆそさびしさまさりける)人目も草もかれぬと思へば(ひとめもくさもかれぬとおもへは)源宗于朝臣(みなもとのむねゆきあそん)
2字決まり

かささきのわたせるはしにおくしもの / 中納言家持

鵲の渡せる橋に置く霜の(かささきのわたせるはしにおくしもの)白きを見れば夜ぞ更けにける(しろきをみれはよそふけにける)中納言家持(ちゅうなごんやかもち)
2字決まり

たこのうらにうちいててみれはしろたへの / 山辺赤人

田子の浦にうち出でて見れば白妙の(たこのうらにうちいててみれはしろたへの)富士の高嶺に雪は降りつつ(ふしのたかねにゆきはふりつつ)山辺赤人(やまべのあかひと)