たこのうらにうちいててみれはしろたへの / 山辺赤人

2字決まり

百人一首

【原 文】田子の浦にうち出でて見れば白妙のたこのうらにうちいててみれはしろたへの  富士の高嶺に雪は降りつつふしのたかねにゆきはふりつつ

【上の句】田子の浦にうち出でて見れば白妙の(たこのうらにうちいててみれはしろたへの)

【下の句】富士の高嶺に雪は降りつつ(ふしのたかねにゆきはふりつつ)

【決まり字】2字決まり「たこ」

超現代語訳

ちょっとみんなマジ見て欲しい!来て欲しい!
最強かつ抜群の映えスポット「田子の浦海岸からの富士山」
真っ白な雪が富士山に降り積もっていて神秘的な美しさだ

歌のポイント

  • 日本の最高峰富士山を詠んだ歌
  • 名前は赤人だけど、詠んでるのは白い絶景 紅白でめでたい
  • 冬の歌だけど、なんとも爽快な気分になる歌

歌の情景

この歌は、感動的なほどに美しい富士山を詠んだ歌です。
宮廷歌人として、日本のあちこちを駆け巡って美しい景色は見てきたけれど、
壮大な富士山の美しさは、噂以上に良い!と、大絶賛している歌です。

語意

【田子の浦】静岡県富士市にある海岸または清水市にある蒲原・由比の海岸
【うち出でて】出かけてみたら うちは、接頭語
【白妙の】白い布 ここでは、「富士」「雪」に掛かる枕詞
【降りつつ】「つつ」は、継続や進行を表す言葉ですが、当時、赤人のいる田子の浦海岸から富士山の天気はわからないので、雪が降り積もっている赤人の想像

歌の分類

【歌集】新古今和歌集
【歌仙】三十六歌仙
【テーマ】冬の歌
【50音】た音

歌を詠んだ人物

【作者】山辺赤人(やまべのあかひと)
【性別】男性歌人
【職業】官人(現代職業:官僚)
【生年】不明
【享年】736年(天平8年)頃

山部赤人は、3番目の歌人・柿本人麿と同じく宮廷歌人として奈良時代に活躍した第45代聖武(しょうむ)天皇のお気に入りの歌人です。詳しいプロフィールはわかっていませんが、父親は山部足島で、子どもは山部磐麻呂です。そして赤人の生まれた山部家は、その昔、日本神話に登場する神様の子孫である久米氏の仲間であるそこそこのセレブ一家です。

自然や四季の移ろいである美しい景観を歌にするのが得意なエモーショナルな歌人で、3番目の歌人・柿本人麿とともに和歌界の超スーパー神的存在で、万葉集に長歌13首・短歌37首、拾遺和歌集に3首、勅撰和歌集に49首が収録され、三十六歌仙の一人でもあります。

西暦726年(神亀3年)の10月10日、聖武天皇と一緒に兵庫県明石地方を旅した際に、まぐろ漁で盛り上がっている明石の漁師たちと美しい景色、そして当時から日本の食卓に登場していたまぐろを詠んだ歌があることから10月10日は「まぐろの日」とされています。また、赤人の神社もあり、滋賀県東近江市の山部神社 と 静岡県静岡市の和歌宮神社に祭神として祀られています。