わ音

3字決まり

わかそてはしほひにみえぬおきのいしの / 二条院讃岐

わが袖は潮干に見えぬ沖の石の(わかそてはしほひにみえぬおきのいしの)人こそ知らねかわく間もなし(ひとこそしらねかわくまもなし)二条院讃岐(にじょういんのさぬき)
6字決まり

わたのはらこきいててみれはひさかたの / 法性寺入道前関白太政大臣

わたの原漕ぎ出でて見ればひさかたの(わたのはらこきいててみれはひさかたの)雲居にまがふ沖つ白波(くもゐにまかふおきつしらなみ)法性寺入道前関白太政大臣(ほっしょうじにゅうどうさきのかんぱくだいじょうだいじん)
3字決まり

わすれしのゆくすゑまてはかたけれは / 儀同三司母

忘れじのゆく末まではかたければ(わすれしのゆくすゑまてはかたけれは)今日を限りの命ともがな(けふをかきりのいのちともかな)儀同三司母(ぎどうさんしのはは)
3字決まり

わすらるるみをはおもはすちかひてし / 右近

忘らるる身をば思はず誓ひてし(わすらるるみをはおもはすちかひてし)人の命の惜しくもあるかな(ひとのいのちのをしくもあるかな)右近(うこん)
2字決まり

わひぬれはいまはたおなしなにはなる / 元良親王

わびぬれば今はたおなじ難波なる(わひぬれはいまはたおなしなにはなる)みをつくしても逢はむとぞ思ふ(みをつくしてもあはむとそおもふ)元良親王(もとよししんのう)
6字決まり

わたのはらやそしまかけてこきいてぬと / 参議篁

わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと(わたのはらやそしまかけてこきいてぬと)人には告げよ海人の釣船(ひとにはつけよあまのつりふね)参議篁(さんぎたかむら)
3字決まり

わかいほはみやこのたつみしかそすむ / 喜撰法師

わが庵は都の辰巳しかぞ住む(わかいほはみやこのたつみしかそすむ)世をうぢ山と人はいふなり(よをうちやまとひとはいふなり)喜撰法師(きせんほうし)