わかいほはみやこのたつみしかそすむ / 喜撰法師

3字決まり
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百人一首

【原 文】わが庵は都の辰巳しかぞ住むわかいほはみやこのたつみしかそすむ  世をうぢ山と人はいふなりよをうちやまとひとはいふなり

【上の句】わが庵は都の辰巳しかぞ住む(わかいほはみやこのたつみしかそすむ)

【下の句】世をうぢ山と人はいふなり(よをうちやまとひとはいふなり)

【決まり字】3字決まり「わかい」

超現代語訳

ほっといてよ!もう~!
誰になんと言われようと、ここは良い場所なんだから。
勝手にヒッキーと呼べば良いさ

歌のポイント

  • シカと一緒に住んでいるわけではない
  • 山にひきこもり、イケてるマイホームを自慢している歌
  • 「わがい世(よ)」と覚える
  • 元祖ヒッキーの歌

歌の情景

都会から離れて宇治山に住んでる自分の事を、世間のみんなはひきこもりっていうけど静かに放っておいて欲しいと詠んだ歌。
人に何を言われても、自分は平気なんだという鈍感力をアピールしている。

語意

【庵】イケてない古臭い家
【都】平安京
【たつみ】当時は方角を干支で表していて、辰と巳の中間である東南
【しかぞすむ】然(し)かぞ住む。「然か」は副詞で、「このように」の意味
「ぞ」は、強めの係助詞。
【うぢ山】京都にある宇治山と憂しの掛詞。憂しは、世の中を辛いから宇治山に逃げているの意味

歌の分類

【歌集】古今和歌集
【歌仙】六歌仙
【テーマ】雑の歌
【50音】わ音

歌を詠んだ人物

【作者】喜撰法師(きせんほうし)
【性別】男性歌人
【職業】僧侶(現代職業:お坊さん)
【生年】不明
【享年】不明

喜撰法師は、生没年不明のとっても謎な人物です。詳しいプロフィールはわかりませんが、平安時代初期に生きていた真言宗のお坊さんで、六歌仙の一人でもある歌人でした。

また35番目の歌人・紀貫之(きのつらゆき)説や桓武天皇の子孫説、橘諸兄(たちばなのもろえ)の孫で、橘奈良麻呂(たちばなのならまろ)の子説などがあります。

言い伝えによると、現在の京都南部の山城国で生まれて醍醐寺のお坊さんとして活躍したあとは、世の人々との交流をまったくせずに、宇治山で快適なひきこもり生活を送っていたようです。この「わが庵は~」は、その時の気持ちを読み上げた歌とです。その後、仙人となって雲に乗り飛び去ったと言われています。