百人一首
【原 文】契りきなかたみに袖をしぼりつつ 末の松山波越さじとは
【上の句】契りきなかたみに袖をしぼりつつ(ちきりきなかたみにそてをしほりつつ)
【下の句】末の松山波越さじとは(すゑのまつやまなみこさしとは)
【決まり字】4字決まり「ちきりき」
超現代語訳
約束したのにね。二人の愛は決して変わらないと。涙であんなに服が濡れたのに。あーあ
歌のポイント
- 清少納言のお父さんが詠んだ歌
- 「ちぎりき す」と覚える
- 遠まわしに表現しているけど、かなり激しく女性への恨み辛みを詠んだ未練がましい失恋の歌
歌の情景
この歌は、永遠の愛を語り合い、将来を誓いあった女性にフラれてズタボロになり、いつまでも未練がましい気持ちを詠みあげた歌です。
当時、相手の心を裏切ることを「末の松山波越す」と、言い表していました。
語意
【契りきな】約束したよね
「契る」は、男女間で将来を固く約束する
【かたみに】お互いに
【袖をしぼりつつ】涙で濡れた袖を絞りながら 「つつ」は、反復継続の接続動詞
【末の松山】歌枕で、現在の宮城県多賀城市にある歌の名所。どんなに大きな波でも末の松山を越すことはないとされていた
【波越さじとは】波の越すようなことはない
歌の分類
【歌集】後拾遺和歌集
【歌仙】三十六歌仙
【テーマ】恋の歌
【50音】ち音
歌を詠んだ人物
【作者】清原元輔(きよはらのもとすけ)
【性別】男性歌人
【職業】官人(現代職業:官僚)
【生年】〇〇〇年〇〇月〇〇日 (〇〇〇 〇〇年〇〇月〇〇日)
【享年】〇〇〇年〇〇月〇〇日 (〇〇〇 〇〇年〇〇月〇〇日)
清原元輔(きよはらのもとすけ)は、平安時代中期の官僚です。36番目の歌人・清原深養父(きよはらのふかやぶ)の孫で、62番目の歌人・清少納言(せいしょうなごん)の父親にあたる人物です。
歌人としての評価も非常に高く、河内(現在の大阪府)の国の役人から様々な役職を経てから、万葉集を読み解いて研究をする仕事にも就きました。
最後は、肥後(現在の熊本県)の国の役人となり83歳で、この世を去りました。「後撰集」を作るメンバーとしても活躍し、三十六歌仙の一人で勅撰集には105首が入っています。