もろともにあはれとおもへやまさくら / 前大僧正行尊

2字決まり

百人一首

【原 文】もろともにあはれと思え山桜もろともにあはれとおもへやまさくら  花よりほかに知る人もなしはなよりほかにしるひともなし

【上の句】もろともにあはれと思え山桜(もろともにあはれとおもへやまさくら)

【下の句】花よりほかに知る人もなし(はなよりほかにしるひともなし)

【決まり字】2字決まり「もろ」

超現代語訳

一緒にさあ、愛しい思ってくれない?ここじゃ、誰も話し相手が居ないんだよね。

歌のポイント

  • 山奥で人恋しくなって詠みあげたちょっと寂しい歌
  • お経で天皇の病を治した不思議なパワーを持った人物が詠んだ歌
  • 「もろ はなよ」で覚える

歌の情景

この歌は、奈良県の熊野川上流にある大峰で、厳しい修行中に見かけた山桜に向かって詠んだ歌です。孤独に一人で修行に向き合う日々の中で、可憐に咲き誇る桜に心を奪われ思わず語りかけた様子を歌い上げています。修行の厳しさ孤独さが伝わってくる歌です。

語意

【もろともに】一緒に。お互いに。
【あはれと思へ】しみじみと親しむ。
【山桜】山に咲いている桜。
【花よりほかに】花以外には。
【知る人もなし】誰も知っている人がいない。

歌の分類

【歌集】金葉和歌集
【歌仙】-
【テーマ】雑の歌
【50音】も音

歌を詠んだ人物

【作者】前大僧正行尊(さきのだいそうじょうぎょうそん)
【性別】男性歌人
【職業】僧侶(現代職業:お坊さん)
【生年】1055年(天喜3年)
【享年】1135年3月21日(長承4年2月5日)

大僧正行尊(だいそうじょうぎょうん)は、平安時代後期に活躍した天台宗のお坊さんです。
父は源基平(みなもとのもとひら)で、12歳の頃に出家しました。
園城寺で密教を学び、熊野などで厳しい修行を重ねました。悪霊などを追い払ったり病気を治したりする不思議なパワーを身に着け、第74代・鳥羽(とば)天皇の身の回りの安全を保つ護持僧(ごじそう)となりました。書道家としても有名です。