百人一首
【原 文】淡路島通ふ千鳥の鳴く声に いく夜寝覚めぬ須磨の関守
【上の句】淡路島通ふ千鳥の鳴く声に(あはちしまかよふちとりのなくこゑに)
【下の句】いく夜寝覚めぬ須磨の関守(いくよねさめぬすまのせきもり)
【決まり字】3字決まり「あはち」
超現代語訳
絶対に寝不足だよね?料金所のオジさんたちは。だって鳥うるさいもん!
歌のポイント
- 淡路島に行く歌「あわぢ いく」と覚える
- 寝不足に悩まされただろう料金所のオジさんたちを思いやった心優しい歌。
- 源氏物語の「須磨の巻」をイメージする寂しい歌
歌の情景
この歌は、「関路の千鳥」をテーマに詠まれた歌です。関所と千鳥、そしてきっと源氏物語「須磨の巻」をイメージして寂しさを詠みあげています。年老いた光源氏が過ごした寂しい場所の雰囲気が漂ってきます。
語意
【淡路島】現在の兵庫県、淡路の国
【かよふ】淡路島へ行く。淡路島から来る。往来する。
【千鳥】チドリ科の水鳥。群れで飛ぶことから、千鳥と名づけられた。
【幾夜ねざめぬ】眠れない日があっただろう。「ねざめ」は眠りの途中で目が覚める事。
【須磨の関守】須磨(すま)、現在の兵庫県にあった関所。歌枕。
歌の分類
【歌集】金葉和歌集
【歌仙】-
【テーマ】冬の歌
【50音】あ音
歌を詠んだ人物
【作者】源兼昌(みなもとのかねまさ)
【性別】男性歌人
【職業】官人(現代職業:官僚)
【生年】不明
【享年】不明
源兼昌(みなもとのかねまさ)は、平安時代後期の皇室に仕えた人物です。あまり詳しいプロフィールはわかっていませんが、名門家の宇多源氏に生まれました。父は美濃(現在の岐阜県)の国の役人・源俊輔(みなもとのとしすけ)です。
多くの歌会に参加した記録が残っています。勅撰集に7首収められています。