ひともをしひともうらめしあちきなく / 後鳥羽院

3字決まり
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百人一首

【原 文】人も愛し人も恨めしあじきなくひともをしひともうらめしあちきなく  世を思ふゆゑにもの思ふ身はよをおもふゆゑにものおもふみは

【上の句】人も愛し人も恨めしあじきなく(ひともをしひともうらめしあちきなく)

【下の句】世を思ふゆゑにもの思ふ身は(よをおもふゆゑにものおもふみは)

【決まり字】3字決まり「ひとも」

超現代語訳

いや~、悩んじゃう。人生ってムズい!!人って時々は嫌になるけど、でもボクはみんなの事が大好きなんだよね!

歌のポイント

  • 超異例の三種の神器を持たずに即位した天皇の歌
  • 政権を取り戻そうと承久の乱を起こしたけど失敗した人物の歌
  • 貴族から武士の世界へと移り変わる時代に詠まれたなんとも意味深な歌
  • 島流しにされたけど、マルチな才能を持った凄い天皇の歌

歌の情景

この歌は、なんとも切ない後鳥羽天皇の気持ちを詠みあげた歌です。武士から政権を取り戻そうと必死に生きた人物でした。色々と世の為に思いを巡らせてもなかなか思うように行かず、特に人間関係に思い悩む気持ちを詠みあげています。

語意

【人もをし】人が愛しい。「をし」は「愛し(をし)」。「も」は、並列を表す係助詞。
【人も恨めし】人が恨めしい。
【あぢきなく】味気ない。つまらない。おもしろくなく。「世を思ふ」と「もの思ふ」の両方に掛かる。
【世を思ふゆゑに】この世を「あぢきなく」思う。「世」は、国家、天下の意味。
【もの思ふ身は】思い悩む自分は。

歌の分類

【歌集】続後撰和歌集
【歌仙】-
【テーマ】雑の歌
【50音】ひ音

歌を詠んだ人物

【作者】後鳥羽院(ごとばいん)
【性別】男性歌人
【職業】天皇(現代職業:天皇)
【生年】1180年8月6日(治承4年7月14日)
【享年】1239年3月28日(延応元年2月22日)

後鳥羽院(ごとばいん)は、第82代・後鳥羽天皇のことで、源平の戦いが繰り広げられた平安時代末期から鎌倉時代中期を生きた人物です。父は第80代・高倉(たかくら)天皇で、母は藤原殖子(ふじわらのしょくし)です。平家滅亡のタイミングで異母兄・安徳(あんとく)天皇が三種の神器の一つ草薙剣(くさなぎのつるぎ)と一緒に海に沈んしまったことから、後鳥羽天皇は異例の三種の神器を持たずに、わずか4歳で天皇に即位しました。

政治の実権は祖父で第77代天皇だった後白河法皇が握っていました。その後、第一皇子である第82代・土御門(つちみかど)天皇に天皇のポジションを譲り、それから24年間院政を行いました。かつてのように朝廷に政権を取り戻そうと1221年、承久の乱を起こしますが、残念な事に鎌倉幕府に大敗します。残念なことに島根県の隠岐の島へ、島流しにされてしまいました。

歌人としては、宮中に和歌所(わかどころ)を作り、97番の歌人・藤原定家(ふじわらのさだいえ)に今古今和歌集を選ばせ、改めて自ら選び直すほどでした。和歌だけでなく蹴鞠や琵琶などの才能も高くマルチな才能を持った人物でした。

隠岐の島に流される直前に、出家し法皇となり19年後に隠岐の島で人生を終えました。