女房

2字決まり

やすらはてねなましものをさよふけて / 赤染衛門

やすらはで寝なましものをさ夜更けて(やすらはてねなましものをさよふけて) かたぶくまでの月を見しかな(かたふくまてのつきをみしかな) 赤染衛門(あかぞめえもん)
3字決まり

ありまやまゐなのささはらかせふけは / 大弐三位

有馬山猪名の篠原風吹けば(ありまやまゐなのささはらかせふけは) いでそよ人を忘れやはする(いてそよひとをわすれやはする) 大弐三位(だいにのさんみ)
1字決まり

めくりあひてみしやそれともわかぬまに / 紫式部

めぐり逢ひて見しやそれとも分かぬ間に(めくりあひてみしやそれともわかぬまに) 雲隠れにし夜半の月影(くもかくれにしよはのつきかけ) 紫式部(むらさきしきぶ)
3字決まり

あらさらむこのよのほかのおもひてに / 和泉式部

あらざらむこの世のほかの思ひ出に(あらさらむこのよのほかのおもひてに) いまひとたびの逢ふこともがな(いまひとたひのあふこともかな) 和泉式部(いずみしきぶ)
3字決まり

わすれしのゆくすゑまてはかたけれは / 儀同三司母

忘れじのゆく末まではかたければ(わすれしのゆくすゑまてはかたけれは) 今日を限りの命ともがな(けふをかきりのいのちともかな) 儀同三司母(ぎどうさんしのはは)
3字決まり

なけきつつひとりぬるよのあくるまは / 右大将道綱母

嘆きつつひとり寝る夜の明くる間は(なけきつつひとりぬるよのあくるまは) いかに久しきものとかは知る(いかにひさしきものとかはしる) 右大将道綱母(うだいしょうみちつなのはは)
3字決まり

わすらるるみをはおもはすちかひてし / 右近

忘らるる身をば思はず誓ひてし(わすらるるみをはおもはすちかひてし) 人の命の惜しくもあるかな(ひとのいのちのをしくもあるかな) 右近(うこん)
4字決まり

なにはかたみしかきあしのふしのまも / 伊勢

難波潟短き蘆のふしの間も(なにはかたみしかきあしのふしのまも) 逢はでこの世を過ぐしてよとや(あはてこのよをすくしてよとや) 伊勢(いせ)
3字決まり

はなのいろはうつりにけりないたつらに / 小野小町

花の色は移りにけりないたづらに(はなのいろはうつりにけりないたつらに) わが身世にふるながめせしまに(わかみよにふるなかめせしまに) 小野小町(おののこまち)