百人一首
【原 文】明けぬれば暮るるものとは知りながら なほ恨めしき朝ぼらけかな
【上の句】明けぬれば暮るるものとは知りながら(あけぬれはくるるものとはしりなから)
【下の句】なほ恨めしき朝ぼらけかな(なほうらめしきあさほらけかな)
【決まり字】2字決まり「あけ」
超現代語訳
わかってる。わかってるよ。また夜になれば会えるって。
でも、朝のお別れは、メッチャさみしいんだよね。
歌のポイント
- 下の句に登場する「朝ぼらけ」
- 奥さんに詠んだ可愛らしいラブリーな歌
- 「あけ なほう」で覚える
歌の情景
この歌は、朝のお別れの寂しい気持ちを詠んだ歌です。
当時は、夜になると夫が妻のもとへ通うスタイルで夫婦であっても別居するのが一般的でした。
そんな生活スタイルでの一コマを妻へ愛情たっぷりに詠みあげています。
語意
【明けぬれば】夜が明けてしまうと
【暮るるもの】日が暮れる
【知りながら】知ってはいるけど
【なほうらめしき】それでもやっぱり残念
【朝ぼらけかな】「朝ぼらけ」は夜明け 「かな」は詠嘆の終助詞
歌の分類
【歌集】後拾遺和歌集
【歌仙】-
【テーマ】恋の歌
【50音】あ音
歌を詠んだ人物
【作者】藤原道信朝臣(ふじわらのみちのぶあそん)
【性別】男性歌人
【職業】官人(現代職業:官僚)
【生年】972年(天禄3年)
【享年】994年8月20日(正暦5年7月11日)
藤原道信朝臣(ふじわらのみちのぶあそん)は、藤原道信のことです。太政大臣・藤原為光(ふじわらのためみつ)の3男で、兼家(かねいえ)の養子となった人物です。
皇室で働き順調に出世コースに乗っていましたが、天然痘(てんねんとう)により23歳の若さで人生に幕を閉じました。勅撰集に49首収められています。