お音

3字決まり

おほけなくうきよのたみにおほふかな / 前大僧正慈円

おほけなく憂き世の民におほふかな(おほけなくうきよのたみにおほふかな)わが立つ杣にすみ染の袖(わかたつそまにすみそめのそて)前大僧正慈円(さきのだいそうじょうじえん)
2字決まり

おもひわひさてもいのちはあるものを / 道因法師

思ひわびさても命はあるものを(おもひわひさてもいのちはあるものを)憂きに堪へぬは涙なりけり(うきにたへぬはなみたなりけり)道因法師(どういんほうし)
2字決まり

おとにきくたかしのはまのあたなみは / 祐子内親王家紀伊

音に聞く高師の浜のあだ波は(おとにきくたかしのはまのあたなみは)かけじや袖のぬれもこそすれ(かけしやそてのぬれもこそすれ)祐子内親王家紀伊(ゆうしないしんのうけのきい)
3字決まり

おほえやまいくののみちのとほけれは / 小式部内侍

大江山いく野の道の遠ければ(おほえやまいくののみちのとほけれは)まだふみも見ず天の橋立(またふみもみすあまのはしたて)小式部内侍(こしきぶのないし)
2字決まり

おくやまにもみちふみわけなくしかの / 猿丸大夫

奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の(おくやまにもみちふみわけなくしかの)声聞く時ぞ秋は悲しき(こゑきくときそあきはかなしき)猿丸大夫(さるまるだゆう)