百人一首
【原 文】夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを 雲のいずこに月宿るらむ
【上の句】夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを(なつのよはまたよひなからあけぬるを)
【下の句】雲のいずこに月宿るらむ(くものいつこにつきやとるらむ)
【決まり字】2字決まり「なつ」
超現代語訳
早っ!まだまだ夜だと思っていたら、朝になっちゃったよ。
さっきまで観ていた月は、雲のどこへ行っちゃった?
歌のポイント
- 清少納言のひーじいちゃんの歌
- 夏の夜にオールして詠んだ歌
- 4首ある夏の歌の1首
- 月が見えなくなってしまったことから時間の経過は早いとしみじみしている歌
歌の情景
この歌は、夏の夜に月を眺めていたら、いつのまにか空が明るくなってきてしまい、さっきまで観ていた月は、雲のどの辺に行ってしまった?と夏の夜は特に時間が短いと歌っています。
語意
【夏の夜は】夏の夜はとくに、他の季節と違って
【まだ宵ながら】まだ夜の早い時間だと思っていたのに
【明けぬるを】明けてしまったが 「ぬる」は完了の助動詞「ぬ」の連体形。「を」は逆接の接続助詞
【雲のいづこに】雲のどこに
【月やどるらむ】月は宿っているのだろう
歌の分類
【歌集】古今和歌集
【歌仙】-
【テーマ】夏の歌
【50音】な音
歌を詠んだ人物
【作者】清原深養父(きよはらのふかやぶ)
【性別】男性歌人
【職業】官人(現代職業:官僚)
【生年】不明
【享年】不明
清原深養父(きよはらのふかやぶ)は、詳しいプロフィールはわかっていませんが、平安時代中期の官僚で、「枕草子」を書いた女流作家で65番目の歌人・清少納言(せいしょうなごん)のひーおじいちゃんです。
皇室のお宝を管理する仕事をしながら、歌人としても大活躍し、晩年は山城(現在の京都)の国に、補陀洛寺(ふだらくじ)を建てて過ごしました。また琴の名人とも言われています。